不登校は子どもの居場所探し

教室の風景 ライフケアサポート部門コラム

子どもが雰囲気を読み取る力

お葬式

つい先だって親戚の葬儀に行ってきました。

朝早くに電話があり、親戚が亡くなった報告を受けました。その日のうちにお通夜、翌日に葬儀です。念のため、子どもの着ていく服を探し、子どもの帰宅時間やお通夜に行けるかどうかなど確認。

お昼過ぎに再度の電話があり、亡くなった親戚が子どもたちと過ごすことを楽しく思っていたのでとりあえず来て欲しいと言うことでした。

子どもが順次帰宅すると、全員がそろい次第出発することを伝え、上の子が帰宅したらすぐさま葬儀場へと向かいました。

子どもを連れて行くのってそれなりに悩ましいところでそもそも場に見合った服を持っていないことや、長時間静かに待てるかと言うこと、仮に静かに待てたとしてその後に反動も不安だと言うことがあります。そういったこともあって子どもは連れて行かない家庭もあると思います。

葬儀場に着くと、親(子どもから見て祖父母)と入れ違いで、親戚のおじさんがひとりだけ。ちょっと休憩したいからと交代で親族の待合室に入りました。

泊まれるようにベッド2台と大きな鏡、小さめのキッチンやシャワールーム。いろいろ走り回ったり、扉開けたりするかな?と思いましたが、子ども4人横並びで座って大人しくテレビを見ていました。

子どもながらに騒いじゃダメな場所なんだとわかるんだなと感心しました。

続々と親族が集まりお通夜が始まります。30分ほどと聞いていましたが、45分ほどの時間でした。上のふたりはともかく、下のふたりはきついだろうと思っていました。3番目は始まる前から苦手な雰囲気を出し、鈴の音が鳴るたびに耳を塞いでいました。一番下は空いた席に移動して見たり、最後は我慢しきれなかったみたいです。それでも騒いだり大きな声を出すこともなく静かに過ごせました。

個人的には充分に対応してくれたと思います。

次の日は御葬式、お通夜より時間が長いこと、可愛がってもらったこと、一緒に送り出して欲しいことを話してから連れて行きました。

葬儀・告別式だけで、火葬の前に帰るつもりが上の子たちが火葬まで見届けたいと言ってきました。

下の子たちも前日より落ち着いて葬儀に参列し、火葬の際もお別れとはこういうものなんだと感じ取れたと思います。

知らないまま大人になるより、子どものうちに知っておくのも良い経験だと思いました。

なにより、子どもながらに雰囲気を感じ、場に応じた振る舞いが必要だと理解できるのは良いことだと思います。

トワイライトに行かない

3番目の話です。

帰宅すると「公園行きたい」とせがんできます。外で遊ぶのが大好き。とにかく全力で走りたいタイプ。

4人の子どもがいて、帰宅時間がバラバラ。3番目が一番早く、次に一番下、2番目、部活があると1番上が最後になります。しかもちょうど1時間おきくらいの間隔で帰宅します。だから、家を空けて公園に行くことができないのです。公園に行っても遊ばずに帰ることになります。

だから、ここ数か月はずっとトワイライトに行っていました。しかし、最近になって「毎日嫌なことが起きる」と言い始め、ついに行きたくないと言う言葉が出てきました。

トワイライトは義務ではないから行く必要はないので行かなくても良いよと言って行かなくなりました。トワイライトに行かなくなってから見違えるように表情が明るくなりました。トワイライトに行っていた最後の方は迎えに行くと泣いていたり、怒っていたり、無表情でないも言わなかったり。ずっと心配していたので、安心しました。

なぜトワイライトに行きたくないと言い始めたかと言うと嫌がらせです。

悪意を持っているかは別にして特定の子が嫌がらせをしてしまうのです。

トワイライトには大人がついているのですが、退職した教員か、近所の人なのか高齢の方がパートのような形で勤務されています。年配の方なので目が行き届かずに、子どもに充分な指導を行えないと言う現状があります。もちろん真面目に勤務されていますし、トワイライトに来る子どももそこまで目立って悪い子が来るわけでもありません。本当に言うことを聞けない子は最初からトワイライトには来ないからです。高学年になるとトワイライトには来ず、自宅で過ごす子が多いです。とは言え、子どものスピードとパワーには追いつけていないと言う感じがします。

必要な時だけ子どもを預ける家庭もありますが、毎日預ける家庭もあります。その中で高学年の子が仕切るようになってしまったのが原因です。

たぶん、ちょっかいをかけたいのだと思いますが、そのちょっかいのかけ方が悪くて、鬼ごっこのときにわざと強く叩いたり、顔をタッチしてきたりすることや、遊びの順番で並んでいるときに低学年優先と言って1年生ばかりローテーションで遊ばせて、他の子に遊ばせないようにしたりとするわけです。

これを制御できていないのがトワイライトの現状で、実際に気が付いてもらえない、注意してもらっても直らない、その続きとして1年生も横着を始めると言う悪循環が生まれてしまったのです。

と言うわけで、行きたくもない嫌な思いをする場所なら行かなくて良いよとなりました。

行かなくなったことで明らかに楽しく過ごせているので良い判断でした。

不登校は居場所探し

上記で書いたように、うちの子は公園で遊びたいから始まって、トワイライトと言う遊び場所を探して、トワイライトが居心地が良い場所でなくなったから、居場所を変えました。

不登校も同じだと思います。

不登校になる理由として、学校がその子の居場所ではないと言うことです。だから、行かないのです。

親の立場からすると学校に行かないのが困るのではなく、家で面倒を見る労力や時間の方が悩みの種なのではないでしょうか?

不登校で学校に行かないことに不安があるのならそこまで気にしなくても良いです。

学習に関して言えば、自宅で十分できます。学校に通わない方が良いのではないかと思うくらい、学習は自宅でできます。

集団生活や人間関係作りができないのでは?と言う心配も不要です。集団生活や人間関係作りは学校以外の場でもできます。低学年ほど友達作りは長けています。高学年や中学以降で不登校になるのなら、性格的な問題以外の要因の方が大きいです。環境が変われば子どもも変わるのでそこまで不安がらなくても良いです。

重要なことは不登校になったときに子どもの居場所があるかどうかです。家が子どもの居場所になるなら何も問題はありません。

子どもの居場所作りが重要なポイントになります。

よく間違えられているのが学校に行かせないといけないと思っている保護者がいることです。学校は必ずしも安全な場所ではないし、教員が必ずしも正しい判断をしてくれるとは限りません。

子どもが通っている地域の学校では対応が不適切で数人の家庭が引っ越していきました。子どもを守る居場所作りのため、学校を変えたのです。学校を変えるという方法はかなり大きな決断ですが、子どもを守り、子どもの(安全な)居場所を作りには一つの方法なのでしょう。

学校に対する保護者の不信感は大きなものになっています。クラス懇談会に行くと、平日でも半数以上の保護者が出席し、事実関係を報告してほしいや、問題行動の事実確認など学校への不信感が募っていると感じます。

子どもがこのまま地域の公立学校へ通うことへの不安から中学校受験に舵を切った家庭もあるようで、引っ越すか、中学受験をするか、学校には通わず自宅で学習するかの選択肢を持ちながら子どもの居場所をどう作るか各家庭が頭を悩ませています。

もし、子どもが不登校になったら、子どもに原因があるのではないかと考える前に、その学校は子どもの居場所として適切かを考えてみると良いでしょう。適切でなければ学校に変わってもらうか、学校以外で居場所を作るかの判断が必要になります。

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