不登校29万人、いじめ68万件という学校の現実

教室の風景 ライフケアサポート部門コラム

はじめに

昨年度(2022年度)の文部科学省の調査

・不登校

小中学校の不登校状態の児童生徒は29万9000人(小学生が10万5112、中学生が19万3936)でした。

この他、高校生では6万575人でした。

・いじめ

認知されたいじめの件数は68万1948件(小学校が55万1944件、中学校が11万1404件、高校が1万5568件、特別支援学校が3032件)でした。

・暴力行為

暴力行為は9万5426件(小学校6万1455件、中学校2万9699件、高校4272件)でした。

内容別内訳は生徒間暴力6万9580件、器物損壊1万2695件、対教師暴力1万1973件で、

加害者児童生徒数は小学生4万5539件、中学生2万7916件、高校生4954件でした。

ハート型のSOS

数字だけで過去との比較はできません。不登校に関しては寛容になり、いじめに関しては認識の変化もあります。暴力に関しいては隠蔽が減ったのではないですかね。SNSやネット情報の拡散力で今までは見つけられなかったものや隠されていたものが隠し切れなくなったと。もちろん、何を暴力とするかの認識も変わっていると思います。

不登校について、学校に無理やり通わすことが良いことではないと言う認識の広がりもさることながら、学校に通う意味合いが薄れていることも大きいように思います。

不登校の定義が、病気や経済的理由を除く、長期欠席者(年間30日以上 の欠席者)のうち『何らかの心理的,情緒的,身体的あるいは社会的要因・背景により, 登校しないあるいはしたくともできない状況にある者』とされているので、実態としてはもう少し増えるのではないでしょうか。

いじめに関しては認知件数であるので、当然認知されていないいじめも隠れていると言うこと、いじめの認知件数のうち4割近くは「重大事態」として把握するまで学校がいじめと認知していなかったと言うことです。重大事態とは自らの命を絶つことや不登校などなので、重大事態に至るまで認知されていないと言うことは非常に大きな問題です。

いじめの内容は多種多様なので、暴行、傷害や窃盗、器物損壊のような刑事犯罪なのか、無視や陰口のような精神的な攻撃なのかは内訳を示して欲しいところです。また、長期的なものなのか、単発的なものだったのか、加害者が複数なのかひとりなのか、複数なら何人程度なのか。この辺りを公表してもらえるといじめの現状が把握しやすくなるのではないでしょうか。

なにぶん数字だけだは詳細や現状は分からないですね。ただ、少ないとは言えないと言うことです。

子どもが不登校になったらどうする?

原因を探る

ちょうどこのニュースを見る前に公園の横を散歩していたら、保育園の集団を見かけました。ひとりの子どもがしゃがみ込んで歩かないのを保育士が(怒鳴ってはいないものの)威圧して「どうするの?みんなを待たせているんだよ!」と非常に高圧的な様子でした。

これを見たときに、この保育園には子どもを預けられないなと思いました。

理由の一つに、この保育士さんは怒ると叱るの区別がなく、何に対して怒っているか自身が理解していないからです。子どもが物を取り合って相手を叩いたとか、交差点や道路に飛び出したときは、安全面や安心した生活を送る上で怒るのも仕方がない場面です。ただ、この件は保育士にとって管理上都合が悪いから威圧しているだけで子どもに叱られるべき理由がないからです。

保育園で園児を公園に連れて行って遊ばせておいて、園児が遊び疲て歩けないから威圧するって異常なことですよ。これは酷い。子どもが乗れるキャスター付きのかごのようなものや、大きいベビーカーみたいなものを所有している保育園もありますが、この保育園は園児は全員歩きでした。園児が歩けないことは日常的に想定できるできごとなのに、そのことに対処せずに園児を威圧しちゃうんだと言う思いです。

もう一つの理由は、この光景が日常的だと想像できるからです。保育園、幼稚園、小学校など園内や校内の出来事は見ることができません。たまたま外に出ている情景でこれを目にすると言うことは、園内でも日常的な光景なのだと推察してしまいます。子どもが小さいうちは言葉で何があったかを説明できないので、何が起きても確認する術がありません。外でこの状況なら園内だと虐待でもしているのではと不安に感じます。

この一件だけでも、この保育園に預けたら子どもの成長が歪んでしまうと感じます。

もし、子どもが不登校になったら、原因は何か?を探ることは大事です。子どもの性格なのか、家庭の生活習慣や教育方針なのか、はたまた学校や先生に問題があるのか。子ども、保護者、学校、教員のどこであるかを決めつけずに探ることが重要です。

家庭でできる対処をする

不登校になって一番の心配は学習面ではないでしょうか?

しかし、これはさほど心配しなくても大丈夫です。日本の学校教育は知識を覚えることや反復して同じことを繰り返す技術を身に付けるだけで、自分で考えることや新しいものを生み出すことには無頓着だからです。

そもそも学校の先生が問題の解き方は教えられても、なぜその方法で解けるのかや、なぜそんなことを教えているのか理解していません。学校の先生も解き方を教わって解けるようになっただけで、問題を解けるだけで学問を理解しているわけではないからです。高校になるとしばしば問題すら解けない先生に出くわすので、学校の先生に学習指導を過度に期待しない方が良いです。

これは極一部の塾を除いて塾での学習も同じです。中学受験や高校受験では特にですが、覚えると早く解ける解法を教えてはもらえますが、その学問的な背景は教えてもらえません。先生も生徒も解き方は知っているが理解はしていないと言った状態です。

生活面での対処は欠かせない

学校に行かないのであれ、行けないのであれ、生活習慣を乱すのは良くありません。

・小学生なら21時、中学生なら22時までに就寝

・食事は保護者が用意する。(お金を渡して自分で買うと偏食になる。)

・(嫌がられなければ)程よく話しかける。話を聞いてあげる

・適度に外に連れ出す。

・テレビや携帯などの使用時間を決める。

こういった最低限のことは必要です。

それ以外は家庭によって違います。各家庭が普通や当たり前と思っていることが違うからです。その家庭では気づかない当たり前が問題のトリガーになっていることが多々あります。

例えば、「子どもが夜遅くまで起きているのは良くないです。」と言っても、「では何時に寝かせますか?」と聞くと、20時から25時まで解答がばらけます。家庭によって”夜遅い”の解釈が全く違うからです。なので、実際に相談するまで気づかなかったと言ったことが起こるのです。

家庭でできる学習をする

家庭でも学習することはできます。

重要になるのは国語と算数・数学です。

国語に関しては、まず、

幼少期に絵本の読み聞かせ→ひらがなを自分で読めるようになる→興味を持った本を自分で読める

の3段階ができているかが大切です。家庭で学習するにあたって、自分で文字を読んで理解できる必要があるので、どかで抜けがあるならその段階から補う必要があります。

自分で本を読めるのであれば、書店へ連れて行き、自分で出来そうな問題集を買って、自分で解いて行ってもらえればそれだけで学習能力は上がっていきます。自分で文章を読む習慣ができていれば自ずと読解力はついてきます。

算数・数学に関しては計算をマネができれば低学年のうちはOKです。中学校まではマネをできるだけでテストの点数は取れますが、真似ているだけか理解しているかで高校以降の差は広がります。

算数・数学は理解していくには解説が必要になるので、そこも自力で乗り越えられるか、学校や塾や家庭教師に頼るのかは判断が分かれます。

お困りごとがあれば相談を

SGYライフ&ホームではカウンセリング・相談、不登校サポートを行っています。原因が分からずに悩んでいたり、学校に行かせた方が良いか休んだままで良いか迷っていたり、学習をどうすれば良いか相談したいなど、解決につながるサポートを行います。

不登校が必ずしも悪いことではないと言う認識が広がる中、学校に行かずにどう過ごしていくかが次の焦点です。

SGYライフ&ホームをご活用ください。問題点を見抜き解決に導きます。

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