相談することの重要性

Mental Health ライフケアサポート部門コラム

長野立て籠り事件と暗号資産詐欺事件

ふたつのニュースを見て同じことを感じました。メンタルヘルスが如何に重要であるかと言うことと、カウンセリング、相談の相手を適切に選ぶと言うことです。

長野立て籠り事件

長野県中野市で駆け付けた警察官ふたりが猟銃で発砲されその後自宅に立てこもった事件です。事件の詳細ではなくて私が気になったのは動機の方です。

どのニュースを見ても、”自分が孤独でいることをばかにされたと思い”や”一人ぼっちだとののしられたと思っていた”と言う内容が伺えます。

こういったことは意外と日常でもあります。他人の些細な言動が自分を貶めているように感じる人は一定数います。

職場や学校において、周囲の人が笑って話しているときにふと目が合った。日常的に充分起こり得ることです。ただ、これを単に”なんか話しているなぁ”と感じるか、”もしかして私のこと笑ってる?”と感じるかは人それぞれです。どちらが正しいとかどちらが健康的だと言うことはありません。

自分が笑われているのでは?と感じる人はそれなりにいますが、そこから生活に支障が出るほど気にする人の数は少なく、さらに攻撃的な行動に出る人はさらに少なくなります。どちらかと言うと、攻撃的ではなく内側に向いてしまうことの方が多いように感じます。職場や学校に行きたくなくなるとか、家や自分の部屋から出たくなくなる、他人と会話をしたくなくなると言った傾向です。

この事件も日々内側に向いていた感情があるきっかけで外側に勢いよく飛び出した印象があります。

そして、他人と会話をする機会があれば防げたのではないかと言うことです。

カウンセリングや相談と言ったことが必要でも、はっきりカウンセリングや相談と言うと抵抗がある人もいます。そういったときは、ライフプランニングや将来設計など未来の明るい方向を模索する話で良いので、自分を見つめて前を向く、そして自分の未来は明るい方向に進むと言う思いを抱かせることが大事です。

暗号資産詐欺事件

暗号資産とは仮想通過のことです。

暗号資産の投資をうたい、不正な勧誘を行った疑いでマルチ商法グループの男ら9人が逮捕た事件です。法令で定められた契約書等を交付せず、クーリングオフを拒んだことで逮捕されています。

たまたまYouTubeのKENZO【新宿109】と言うチャンネルでマルチ商法を行ったセミナーを見ました。このチャンネルはマルチ商法組織、詐欺師などに突撃して動画にしていますが、このYouTubeチャンネル自体に対する意見ではなく、動画内のマルチ商法を行ったセミナーを見て感じたことがあります。

まず、セミナーを聞いていて最初はネズミ講かな?と思いましたが、暗号資産を扱っていることからマルチ商法なんだなと思いました。

ただ、会員を増やす以外の部分で本当に利益出るの?と疑わしい限りです。

ここでマルチ商法とネズミ講の違いを見ていきましょう。

マルチ商法とネズミ講の大きな違いは商品の取り扱いがあるかが大きいですね。ネズミ講の場合は商品の取り扱いがなく、会費だけで儲けていくのでいずれ限界が来るのは目に見えています。

もう一つは違法か合法かです。マルチ商法は特定商取引法で連鎖販売取引と定義されており合法、ねずみ講は無限連鎖防止法で定義されており違法です。意外かもしれませんが、マルチ商法自体は合法です。

次にマルチ商法とネズミ講の似ている点を見てみると、会員がねずみ算的に拡大する、紹介で広がっていく、勧誘方法が似ていると言った点が挙げられます。

正直、マルチ商法であれネズミ講であれ、ネズミ算的に増えていくシステムは最初から怪しいと思ってしまいます。

マルチ商法は合法ですが、当然規制はあります。今回だと断定的な判断の提供や金融庁に登録していないと言った部分が動画内で指摘されているし、逮捕された理由は法令で定められた契約書等を交付せず、クーリングオフを拒んだと言うことです。

断定的な判断の提供とは、勧誘する際に、将来における不確実な事柄に対し、断定的な判断を提供し、提供された断定的な判断が確実であると誤認させたときの判断提供です。

なぜ騙されるのか少し疑問に感じました。ネズミ講を知らないのかな?とも思いました。ただ、動画の内容を見ると詐欺だと指摘している人がいるのにセミナーの参加者には他人事のように見えました。

断定的な判断の提供、つまり儲かる仕組みを話していないまたは儲かる可能性をあたかも確実にもうかると断言してしまっている。金融庁への登録がされていない。このセミナーではこれだけで理由は十分なはずです。

私が感じたことの一つは、この参加者は知人に勧められてここへきて、さらに紹介する役割を担ってしまうので、友達をなくしますよと言うこと。

もう一つは、このセミナーで何らかの個人情報を提供していたらカモられますよと言うことです。この事件に引っかからなくても、このセミナーに来てしまうような人間だと認識されると言うことです。名簿も流れるだろうし。

以前、公立高校の外部講師のお話を見たことがあって、そのときにその学校の先生が講師が配った用紙に「名前、住所、電話番号を書けよ」って言っていて驚いたことがあります。外部の人間に生徒の個人情報を強制して流出させるなんてどういうこと?って。外部講師が「任意です」って言っているのに、その学校の先生が「全員書けよ」って言っているんですよ。先生の情報リテラシーの低さに驚きました。外部に個人情報を提供するなら保護者の同意は必須ですよ。

この事件でも思ったのはここに来た人たちは勧誘してくる友達はいても相談できる友達はいないんだなと。それ以前に怪しいと認識できなければ相談もないかもしれませんが、怪しいと教えてくれる友達がいてくれたら被害にあわないのかもと。

2500人以上の会員から入会金名目で7億7500万円を集めた記録があるそうなので、一人当たり約30万円ほどですね。これより多い人も少ない人もいると思いますが、そのお金と友人を失ったことは大きいと思います。マルチ商法はお金を搾取するだけでなく人脈搾取でもありますから。

カウンセリングや相談は誰に頼るかが重要です

みなさんは悩みを誰に相談しますか?

誰に相談するかは重要です。

スクールカウンセラー・産業カウンセラー

学校だとスクールカウンセラーが設置されている学校が多いと思います。学校からのお便りからもスクールカウンセラー来校日とか日程表に書かれています。

しかしながら、スクールカウンセラーがカウンセリングを行うことは難しいです。なぜかと言うと、カウンセリングは第3者でないと行えないからです。

スクールカウンセラーは学校または教育委員会との雇用関係があり第3者になりえないのでカウンセリングはできないのです。もちろん学校に関わらない家庭の相談等なら良いのですが、学校に関わる内容で公正な対応を取れるかと言えば、そうはならないということです。

例えば、しばらく”学校を休んだ方が良い”や”学校を変えた方が良い”と思ってもその意見をするにはものすごいハードルが高いです。明らかに学校や先生に落ち度があっても言えないかもしれませんね。

そういった意味でカウンセリングは第3者でなければいけません。これは産業カウンセラーでも同じですし、雇用関係をはじめ親族関係や友人関係でもカウンセリングは行えないと言うことです。

できるとしたら身近な人に相談すると言うところまでですね。

精神科・心療内科

お医者さんにかかるのは、症状を改善したいときです。

病院は鬱であるとか、不眠や食欲不振など体に症状が出たときの改善や相談には良いです。

ただ、通院することで悩みが解消されるわけではないので、体調に対するケアだと理解しましょう。

カウンセリング・相談は適切な人を選ぶ

カウンセリングや相談相手に選ぶことに対して重要なことは相談者のためを第一に考えてくれる人であることが重要です。

第3者である必要性はここにあります。そうでないと、相談者が2番手3番手になったり、他の人の顔色を窺っていては改善されません。

また、単に公平であるだけでなく、信頼できることも大事です。話を聞くだけでなく、その悩みのどこに問題を抱えていて、気づいていない部分はどこか、どこで考えが固まってしまっているかを見ることができる人が大事です。

悩みがあっても相談できていない、相談相手が見つからない、他の人も意見も聞いてみたい、そんな人の話を聞きますよ。ぜひ、ご相談ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました