2023年富士山登山で懸念される弾丸登山とは?

富士山 2023年は富士山に登ろう

どうなる2023年の富士登山?

今年の富士山は世界遺産登録10周年であることや、コロナ騒動後であることから登山客の増加が見込まれています。

世界遺産登録10周年は言われるまで気づきませんでしたが、コロナ騒動後であることは大きな要因になりそうです。

また、コロナ騒動によって山小屋自体が個別スペースを設けたり、大部屋でも人数を制限するなど、改装や制限を行っていることから山小屋泊の受け入れが減少したままであることから今後もキャパシティオーバーのなる可能性は高いですね。

規制だけなら、今後は元に戻せる可能性がありますが、改装や改築までしていると今後の変化には期待できません。とは言え、富士山の山小屋は元々の宿泊環境が劣悪だったこともあり、一般的な山小屋に近づいたと言うべきなのかもしれませんが。

懸念される弾丸登山とご来光の時間帯の山頂渋滞。それに起因する様々な問題が不安な気持ちにさせます。

富士吉田市長が山梨県に登山者を制限するよう要望を出したことや、静岡県内でも入山規制を検討する動きがみられています。

現在若しくはこれから富士登山を考えている人は一度山小屋の状況を確認すると良いかもしれません。

弾丸登山と日帰り登山の違い

私が心配していることの一つに「弾丸登山と言う言葉を使うことで、弾丸登山の解釈が人によって変化して日帰り登山まで否定するようにならないか?」と言うことです。

弾丸登山とは?

弾丸登山と言う言葉は富士山以外ではあまり聞かないです。そもそも弾丸登山って何?ということです。

富士山以外の登山では基本的に日帰りで行ける山では弾丸とは言わないし、日帰りできない山を経験が浅い人たちが縦走するなんてこと滅多にないですからね。

”富士山だから登りたい”×”富士山だから登れる”と言う気持ちの関係が弾丸登山と言う形になるのではないでしょうか?

そこで弾丸登山とは?ですが、

1 富士山を登る際に

2 富士登山の経験豊富でない人が

3 宿泊(山小屋や麓泊)を伴わず

4 夕方以降に登り始め

5 山頂付近でのご来光を目的に

6 必要な休息を取らずに

7 山頂でのご来光のその日に下山する

ことだと思っています。人によって解釈は違うかもしれませんが、こんなイメージです。

ご来光さえ気にしなければ弾丸登山する意味がなし、この日程にならないと思います。

日帰り登山のススメ

弾丸登山での危険性はあとで紹介するとして、日帰り登山をお勧めします。

まず、弾丸登山の特徴として泊を伴わずと言う部分は大きいです。ご来光を見るためには夜間登山にならざるを得ないので、ご来光をどこで見るかも含めて日帰り登山で考えてみましょう。

2011年度版の地図を元に名称と基準時間を使っています。現在の名称と違う場合があります。

富士吉田ルート 登り:6時間/下り:3時間40分/計:9時間40分

登り富士山下り
5合目
0:450:40
6合目
1:10
7合目(下山道)
1:152:00
8合目(下山道)
1:20
本8合目
1:251:00
10合目
富士吉田ルート

富士宮ルート 登り:5時間10分/下り:3時間30分/計:8時間40分

登り富士山下り
5合目
0:250:15
6合目
1:000:40
新7合目
1:401:10
8合目
0:450:30
9合目
1:200:55
10合目
富士宮ルート

シャトルバスで日帰りを考える。

ご来光を山頂付近で見ないパターン

麓で宿泊(前泊)することを勧めます。

これは体に負担も少ないし、無理せずに登れます。そもそもゆっくり寝てから登ることができます。

富士山近郊の人なら自宅から、それ以外の人は麓で一泊。朝一のシャトルバスに乗車。

昨年(2022年)の時刻表では

富士吉田ルート行き:富士北麓駐車場 → 河口湖口五合目

 4時00から17時30分まで(30分間隔/所要時間45分)

富士吉田ルート帰り:河口湖口五合目 → 富士北麓駐車場

 4時50分 5時20分 6時20分

 7時00から18時30分まで(30分間隔/所要時間35分)

富士宮ルート行き:水ヶ塚駐車場 → 富士宮口五合目

 6時00から17時00分まで(60分間隔/所要時間40分)

富士宮ルート帰り:富士宮口五合目 → 水ヶ塚駐車場

 7時00から18時00分まで(60分間隔/所要時間35分)

富士吉田ルートのモデルプランは

4時30分にシャトルバス発

5:15 5合目到着(30分休憩)

6:30 6合目(15分休憩)

7:55 7合目(15分休憩)

9:25 8合目(10分休憩)

10:55 本8合目(10分休憩)

12:25 10合目

こうすればお昼くらいに山頂で昼休憩が取れて、下りは休憩込みで4時間から4時間半ほど見ても13時から13時半ほどに出れば帰りのシャトルバスに間に合います。14時を過ぎるとシャトルバスに向けて余裕がなくなりリスクが高まるのである程度は時間と体力に余裕を見て行動しましょう。

富士宮ルートのモデルプランは

6時にシャトルバス発

6:40 5合目(15分休憩)

7:20 6合目(45分休憩)

9:05 新7合目(10分休憩)

10:55 8合目(10分休憩)

11:50 9合目(10分休憩)

13:20 10合目

これだと下りが休憩込みで4時間見てしまうと、山頂で休憩を入れずに少し景色を楽しんだら即下山開始になります。富士宮ルートの方が人が少ない所以です。富士宮ルートで日帰りをするにはある程度の速度で登り下りしないときついので、登山経験者か普段からある程度の運動量がある人でないと厳しいです。

注意1:高所順応(高山病対策)のために5合目から6合目までで1時間程度の休憩を入れましょう。

注意2:富士宮5合目のレストハウスは火災のため解体。開山期間中のみユニットハウスの設置があります。なので長期的に休憩することやゆっくり休むことは難しい。5合目から少し登るとトイレはあります。

注意3:シャトルバスの時間に余裕をもって下山しましょう。また、タイムはあくまで目安なので自分の体力や経験に応じて変更を加えましょう。

シャトルバスを使わずに日帰りを考える

ご来光を見るパターン

麓での前後泊(2泊)を含めて宿泊を計画しましょう。

シャトルバスを使わずにどう日帰りするのかですが、登山口(0合目)からの登山を考えます。行動時間は12時間を優に超えるので、体力がない方にはまったくお勧めできません。

富士吉田ルートならまだそれほど難しくはなく、河口湖近辺や富士急ハイランド近辺に駐車してしまうと少し厳しいですが、1合目の馬返しに駐車すると6合目のビジターセンターまで(この登山道は5合目を経由しません)3時間50分で、高所順応する必要がないので休憩せずにそのまま登れます。下りも馬返しまで2時間なので、休憩込みで16時間ほど時間を見れば往復できそうです。

出発時間も休憩時間もシャトルバスを使わないので自由に決められます。ただ、これができる人はシャトルバスで普通に日帰りできるのでまずやらないですね。ほとんどの人が山小屋泊を利用します。

ちなみに富士宮ルートでも水ヶ塚公園から6合目まで(この登山道は5合目を経由しません)登りで4時間ほど、下りで2時間30分ほどです。富士吉田ルートよりやや短く富士宮ルートでは15時間10分で往復できます。

弾丸登山の危険性と富士登山の危険性

nighttime-climb

弾丸登山自体はよほど体力に自信があって、登山経験が豊富で、体調管理ができている人しかしちゃだめだよ。

弾丸登山自体の危険性

まず、夕方以降に登り始めると思いますが、その日は休日なのかどうかが大きいです。仕事の終わりに直接来て登るのはちょっと怖いなぁと。休憩なしで9時間ほど行動できるなら良いですが、意外と疲れますよ。

次に富士山は3776mで3000mを越えてからけっこうあるので、それなりに酸素不足になります。動けば心拍数が上がり体は酸素を要求するので、酸素が薄い場所で酸素を必要とするので高山病になりやすいのです。

最後の気温差です。富士山は麓よりはるかに寒いです。夏でも半袖では寒いことが多いです。例えば日中30度や35度のところで過ごし、その日に5合目まで移動して夜間登山を敢行すると昼と夜との気温差が相当でます。この気温差が体に堪えると言うことも知っておいてください。

特に山頂付近でご来光を楽しむ予定の人は低温の中に長時間いることでの冷えに注意してください。また、山頂付近で渋滞すると自分の意思に反して立ちっぱなしで待つことになるかもしれません。

富士山特有の危険性

富士山に限らず登山のマナーの中に登り優先と山側を歩くと言うのがあります。

登り優先とは、登りの人と下りの人がすれ違う時は登りの人に道を譲ると言うルールです。ただ、これは基本で合って絶対ではありません。ときにこれを信仰のように言う人がいて困ってしまいます。登りの人は視野が狭く、下りより余裕がないので安全のために登りを優先するのですが、登りの人が「お先に」と譲ってくれたり、明らかにへばっていて動けないのに優先させると急かすことになるときは下りが先になることもあります。

また、富士山の場合はご来光時に山頂付近で人が混雑します。ご来光を山頂で迎えたい人が滞留するからです。なので、ご来光が過ぎるまでは山頂は人でいっぱいと言うことがあります。この時に登り優先のルールが行えるでしょうか?人が降りないとスペースが生まれないので、とにかく下山したい人は先に下りてもらって山頂を空けないと次の人が登れないのです。この登り優先のルールを守るに守れない状況も存在する可能性を頭に入れておいてください。

もう一つはもっとも怖い落石です。富士山は落石もあります。私も一度富士宮ルートで子どもの大きさくらい岩が降ってきたことがあります。本当に怖いですよ。あんな大きさの岩が落ちてくるの?ってなります。

富士山に限らず山側を歩くのは落石防止の意味もあります。崖側を歩くと普通に歩いて踏んだ石が転げ落ちてどんどん岩になることがあります。山頂に近づくと道も細くなります。人が多いとすれ違う時に石が降ってくることもあります。登山道から外れないだけでなく、崖側付近を歩かないも重要です。ただ、落石の危険は自分の注意で守れるのは下にいる人であって、自分の意思で落石に合わないということはできません。

これが富士山特有の危険です。

1 体力的な問題

2 血中の酸素不足

3 気温差(特に寒さ)

4 人の混雑(登り優先の限界)

5 落石

自分の体力や経験に合わせて無理な登山計画はやめましょう。

富士登山に必要なものと経験と知識

必要な登山経験

今年に日帰り登山を計画していますが、毎月1座と言うことで、各月にひとつずつ登っています。

大日ヶ岳、伊吹山ときて、6月は小秀山を登る予定です。7月に富士登山。

まだ本格的な登山シーズンではないので、3000m級の山に行けていません。なんとも言えませんが、富士山を登るなら8時間程度の行動力と3000m級の高地順応(高地適応?高所順応?高度順化?)が必要だと思っています。

まず登る予定日のひと月前以内に3000m級の山で高地に慣れましょう。

全く登山未経験者であれば、それ以外に体力作りとして、登山予定日前の3ヶ月から4ヶ月くらいの間に小さい山から順に登っていき、標準往復時間が6~8時間程度の山を2つ3つは登っておきたいです。これくらいの経験はないと危ないです。

ただ、普段から強度の高い運動をしている人は高地順応だけでも登れると思います。若しくは登山ペースを落とすとか。

4時間往復程度の山でも毎週登っているとか頻繁にハイキングや登山を楽しんでいる人も同じように高地順応だけで十分かもしれません。

必要な登山用品

ざっと考えると、

ザック、登山靴(トレッキングシューズ)、ストック(トレッキングポール)、ウェア、レインウェア、防寒具、水、補給食、紙媒体の地図、軍手、ウェットティッシュ、O.D.ポケットティッシュ(水解性原紙ティッシュ)、エマージェンシーシート、ライト、(ヘルメット)

必要な知識とマナー

1 ごみは持ち帰る

2 登山届を出す

3 入山料を払う

4 小銭(特に100円)を多く持っていく ← 山小屋のトイレは有料。

5 登山道から外れない

6 山小屋が24時間営業ではないと知っておくこと ← 夜間は売店で買えません。

7 地図は紙媒体で、携帯は極力使わない ← 携帯はいざと言うときにライトになり、緊急通報に使えたりします。登山中はどこでも電波が届くわけではないので、必要な時以外は電源を切るのもありです。特に残量が少なくなったら迷わず電源を切って必要な時だけ電源を入れましょう。

8 酸素スプレーで富士登山の高山病は治らない ← ゆっくり休む、大きく深呼吸。体に酸素がいきわたるまで待つ。改善が見られなければ下山する。

9 落石の対処法を知っておく ← 逃げるときは横に逃げる。逃げられないときは、岩場に身を寄せる。ザックなどで頭を守る。間に合わないときは両手で頭を覆う。(とにかく頭への直撃に備える)

危険を周囲へ知らせるときは、「らくせーき」や「らーく」と叫ぶ。「らーく」を連呼する人が多いです。らーっくはrockに発音が似ているからイメージしやすいです。

10 歩く以外で体を温める方法を決めておく ← 食べる。温かい飲み物。防寒具。エマージェンシーシートの活用。

11 体調、体力、天候、補給食の残量、予定時間との差、渋滞等の周囲の状況によっては勇気をもって下山しましょう。

12 シャトルバスに乗り遅れたときの対処方法を決めておく ← 乗り遅れないように下山時間に注意。富士宮5合目はレストハウスがなくなったためユニットハウスのみ。

朝まで待つのか、下山して帰るのか。タクシーは使えるか?歩いて下山するのか?

富士吉田ルートは6合目の佐藤小屋から下り、馬返しまで2時間ほど。ここから一般道に出るのでタクシーを呼ぶかさらに歩くか。馬返しから1時間半ほどで駐車場まで出れます。

富士宮ルートは6合目の分岐から2時間半ほどで駐車場まで出られますが、分岐がいくつもあるので地図が読めないと道迷いしやすいです。特に初めての道で夜間になるとより危ないことは考慮に入れてください。

13 下り優先になることある ← 山頂付近の渋滞は一般的な登り優先に固執せずに人が減った方が登りやすいこともあると覚えておきましょう。

さいごに

何はともあれ、登山は楽しいです。一生に一度の富士登山と言う人もいるかと思います。

自然と遊ぶときはリスク回避が重要で、いろいろ準備して”必要なかったね”ってなっても良いのです。重要なのは必要な場面で必要なものを持っていると言うこと。

今年は登山者の増加や山小屋のキャパ減少から弾丸登山が増える予想があります。一番の懸念は落石と将棋倒しです。命にかかわる大きな事故にならないように、また事故を未然に防ぐだけでなく、未然に避ける、巻き込まれない場所を確保しながら登りましょう。

危険を回避して安全に帰ってきましょう。元気に帰ってくれば良い思い出になりますよ!

コメント

タイトルとURLをコピーしました