相続税の算定ルールが変わる?
タワーマンション(所謂タワマン)の購入で遺産相続時の相続税を節税するマンション節税を防ぐため、国税庁が相続税の計算ルールを見直す方針を示しました。
土地の相続税評価額
概要 | 基準日 | 公表 | 公示価格割合 | 実施機関 | |
公示価格 | 売買の目安等 | 1月1日 | 3月下旬 | ー | 国土交通省 |
基準地標準価格 | 売買の目安等 | 7月1日 | 9月下旬 | 100% | 都道府県 |
相続税路線価 | 相続税・ 贈与税の計算 | 1月1日 | 7月上旬 | 80% | 国税庁 |
固定資産税評価額 | 登録免許税・ 不動産取得税・ 固定資産税・ 都市計画税の計算 | 基準年度の 前年の 1月1日 | 公表せず | 70% | 市町村 |
表の通り、公示価格と基準地標準価格は取引指標であり、相続税路線価と固定資産税評価額は課税目的です。
相続税路線価と固定資産税評価額は公示価格から求められますが、公示価格が分からないときは、どちらかから求めることもできます。
固定資産税路線価=相続税路線価÷0.8×0.7
相続税路線価=固定資産税評価額÷0.7×0.8
ここで、相続税の計算ですが、
土地の相続税評価額=路線価×土地面積となっています。
建物の相続税評価額
こちらはいたってシンプルです。
建物部分の相続税評価額=固定資産税の評価額(≒購入価格の70%)
マンションの評価額=土地の相続税評価額+建物部分の相続税評価額
今回の相続税の計算ルールを見直しは土地の相続税評価額が市場価格と乖離している事の是正に行われそうです。タワーマンションだと土地の持ち分が少なくなる(部屋の面積にもよりますが、マンションが70戸なら70で割った程度に、1000戸なら1000で割った程度に土地の持ち分が少なくて済む)ので、路線価×土地面積の計算では自ずと評価額が小さくなると言うことです。
これによってマンション節税やタワマン節税と言ったことが起こったわけですが、今回の見直しでどう市場に変化が出るか注目したいと思います。
見直した場合の想定できる変化
・節税目的だった人たちが手放したところで海外の富裕層が購入?
・投機目的のマンション購入が減って、本来の居住目的の人が手にしやすい?
・不動産価格が下落基調になり不動産購入しやすくなる?
いづれにせよ、導入した場合の計算式のよっては大きな変化になりそうです。
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