インボイス制度登録申請の現実的なタイムリミットを考える

Invoicing System 不動産管理部門コラム

登録の判断のタイムリミット

Invoicing System2

インボイス制度の登録はまだ様子を見て待ちの状態の人もいるのではないでしょうか?

インボイス制度の登録は何が正解かまだ見えていないところもありますから待つ気持ちも分かります。

ぎりぎりまで待つとして登録のタイミングと言うか、判断のタイミングはいつになるのか考えてみました。

弊社がインボイス制度に登録申請したのが2月の中旬。登録されて封筒が届いたのが4月下旬というかほぼ4月末。なので申請から登録番号が振られて手元に届くのに1か月半から2か月ほどかかります。

3月末の駆け込みではないものの約2か月の待ち時間があると言うことです。

インボイス制度の登録は9月末までなら10月1日からの扱いになるのですが、本当に9月末に申請してしまっては、遡って10月から適応になるとはいえ、取引先の企業からは嫌がられる可能性もありますね。

9月末に申請すると12月後半か末にまるまで書類が届かない可能性があります。

個人事業主であれば12月末が決算期であり、一般の法人企業であれば3月決算や12月決算など会計期が分かれますが、12月の決算で12月末にならないと請求書が届かないなんて嫌ですよね。

番号が振られて登録通知書が届くまでに適格請求書を作ったとしても、結局は番号がなければ意味がないですから。

そのことを見越してインボイス制度の登録の是非を判断するのであれば8月末がひとつの区切りですね。ここまでに登録申請をしないと10月のインボイス制度開始には間に合いません。

もちろん相手の企業が待ってくれるのであればそれ以降でも構いませんが、7月くらいには動向を見ておいて7月末には判断して8月中には申請をしておかないと出遅れる可能性はあります。

ただ、インボイス制度に登録しない企業が多数を占めていて、インボイス制度に対応せずに動ける仕組みができあがっていれば問題はないのですけどね。

このインボイス制度、登録するもしないも判断を誤って損をするのは個人事業主になるので、様子を見るのもひとつの手ではありますが、その待てる期限は決めておいた方が良さそうです。

登録するときは考えておいた方が良いこと

consumption tax

さて、インボイス制度の登録する可能性があるなら準備しておいた方が良いものがあります。

当然ですが、適格請求書ですね。定められた様式はありませんので、必要事項を記載した請求書を作る必要があります。

以下の項目が必要な記載事項です。

  • インボイスの発行事業者の氏名、または名称及び登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
  • 消費税額等(端数処理は一インボイス当たり、税率ごとに1回ずつ)
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

出典:国税庁「適格請求書等保存方式の概要」

次に考えておかなければいけないのが、簡易課税制度の届け出をするか否かです。

インボイス制度の登録をするかしないかで頭がいっぱいになるかもしれませんが、インボイス制度に登録するということは課税事業者になることなので、単に課税事業者になるのではなく、一般課税か簡易課税かを考えなくてはいけません。

インボイス制度の登録は適格申請書を発行することで取引企業の仕入税額控除をできるようにすることですが、自身が取引している相手がインボイス制度の登録事業者とは限らないので、

一般課税:受け取った消費税の額-仕入等の際に支払った消費税の額

簡易課税:受け取った消費税額×業種ごとの一定の割合(みなし仕入率)

どちらを採用するのか判断が分かれます。

一般課税の方が正確に税を計算する代わりに事務の負担は増えます。ただし、消費税還付は一般課税でないと受けられません。

簡易課税であれば事務の負担は軽減されます。ただし、消費税還付は受けられません。

このように事務負担の大きさと消費税還付の有無などメリットデメリットがあるので、もしインボイス制度に登録するなら、一般課税か簡易課税かは考えておいた方が良いでしょう。

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