シロアリ対策って自分でできる?
はじめに
防蟻(ぼうぎ)処理は自分で行えるか?
答えは当然”YES”です。
ただし、注意すべきことや、人によってはできません。
ここで重要なのはシロアリ対策(予防)であって、シロアリ駆除ではないことです。
シロアリ駆除は専門業者に任せた方が良いと思います。
シロアリ対策の方は薬剤を散布するだけなので自分でやろうと思えばできますが、どうしても機材は必要になります。
・機材の準備
・体力や向き不向きによるできるできない
・業者に依頼したときの金額との差額
この辺りで自分でするのか、業者に依頼するのかが分かれます。
DIY防蟻処理のメリットとデメリット
自分でシロアリ対策(予防)を行うにあたってメリットとデメリットの確認です。
メリット
・費用が抑えられる(当然人件費分が浮くはず)
・自分の目で床下を見る(業者任せだと相手の話を信じるしかない)
この2点は非常に大きなメリットで、特に自分の目で確認するところを私は重視しています。業者が何と言おうと、自分の目で見た事実は変わりませんから。
デメリット
・自分で行うので時間と体力を使う
・機材の準備など面倒なことが多い
・実際にできるのか不安。できなかった場合は損失となる。
業者に依頼することに比べると、お金と引き換えに時間と労力を使います。大きいのは自分でやっては見たものの自分で出来なかったときの損失と失望感ですね。
こうならないために、事前に情報をつかんで業者に依頼するのか自分で行うのか判断しましょう。
DIYと業者 判断基準はここにあり
ではでは、何で判断するのか?
まずは業者に依頼したときの金額と時間の目安を知っておきましょう。
金額は1㎡あたり約2000円(1坪あたりだと約7000円)が目安です。
戸建住宅で1階の床面積が50㎡(約15坪)ほどだと約10万円が相場です。
次に時間ですが、木部処理(床下の木部に対する処理)と土壌処理(床下のコンクリートや土に対する処理)を行って2時間半ほどです。もちろん、床下の状況など前後することはあります。
判断基準として
・1階の床面積50㎡のとき、相場の10万円よりいくら安くなるか?
・それが自分の労力の対価にみあっているか?
(その金額分を安くするために自分でやりたいか?)
・そもそも自分でできるのか?
この3点でおおよその判断がつきます。
自分でやらない方が良い人とは?
DIYに向いていない人もいます。それは、
・暗い場所が苦手
・汚れが苦手
・狭い場所が苦手
・薬剤にアレルギーがある
床下を覗くと分かりますが、狭くて暗いです。その中を匍匐前進(ほふくぜんしん)のように進まなければいけません。これができないと自分では不可能です。また、床下は埃が溜まっています。その中で薬剤を散布する必要があるので、ある程度の覚悟がないとできません。
自分でやってみたい人は一度床下に入って、床下を一周できるか試してみるのも良いでしょう。
こんな業者は要注意
やっぱりお金を払ってでも業者に依頼したいと言う人もいます。しかし、業者ならどこでもOKとはなりません。自分で床下を見ることがないなら信頼できるところにお任せしたいものです。
・料金が相場の6割以下(床面積50㎡で6万円以下)
・作業時間が短すぎる(床面積50㎡で2時間未満)
自分でやってみると分かりますが、金額と時間は正規なものの方が安心します。
まず、金額ですが床面積50㎡だと散布する薬剤だけで4万ほどします。それに出張費と機材の損耗を計算すると5万円ほどになります。この金額との差額が報酬になるわけですが、6万円以下だと薄利多売になりやすく短時間で数をこなすことになります。下手をすると依頼を受けると赤字になる場合もあり得るのではないでしょうか。
なので、あまりに相場から安すぎるところはお勧めしません。(「新築だから無料」や「リフォームのついでだから半額にします」などの特殊なものは大丈夫です)金額が安いと言うことはどこかで無理をしているように感じます。(薬剤なども開封前のものを見せてもらえると安心しますね)
次に作業時間ですが、準備から完了まで2時間切ったら心配になります。
専用の機材が2つあって、木部処理と土壌処理を同時に行っていくのでなければ2時間を切るのは難しいです。薬剤を作ってから訪問し、事前調査もあって、時間を短縮してようやく2時間を切るくらいです。
安くて作業が速い方が嬉しいかもしれませんが、それが手抜きになっては意味がないので一つの目安にしてください。
あまりに安い、あまりに短いときは理由を聞いて納得できると良いです。
自分でする場合の注意点
DIYで注意すること
ここまで読んで自分でやりたいと思った人へのアドバイスです。
・機材(噴霧器)は電動式(20mホースならベスト)
まず、間違っても手動加圧式の噴霧器は使わないでください。無謀です。試しました。理論上はできると思うかもしれませんがほぼ不可能です。まず、加圧して潜るだけでも体力を使いますが、潜っている最中に圧力が下がります。なので、床下で加圧する必要がありますが、床下で加圧すること自体が不可能に近いです。(そもそも床下は酸素が薄いので苦しい)
噴霧器はコード有り無しはともかく電動でないと作業できません。できれば、機材からのホースが20m欲しいところです。10mだと届かない場所があるかもしれません。大型機材は床下を移動できないのでホースだけで届かせる必要があります。小型機材は持ち運べるコードレス型で充電式の電動を使いましょう。
・薬剤は必要量を確保
日本しろあり対策協会認定のものを選んでください。
・服装と道具の準備
服装は全身を覆うもので、マスクとゴーグルは必須アイテム。経験を話すと床下は木くずやコンクリートの剥がれがあって痛いです。マスクとゴーグルはないと体にも良くないです。床下は空気が滞留するので薬剤を散布すると床下のある程度充満し少なからず吸ってしまいます。(私はマスクとゴーグルなしでやりましたが、いくら人に無害と言っても薬剤なので、目に刺激があり、喉は数日軽い違和感がありました。2~3日はちょっと体調がよくない程度の違和感です)
ゴム手袋も必要です。私は素手で行いましたが、軽く手が荒れました。薬剤が当たりまくりでしっかり洗いましたが時すでに遅しでした。
・事前に床下を掃除しておく
これはお勧めです。事前チェックがてら床下を一回りするついでに掃除しちゃいます。埃と木くずを取るだけでも全然気分が違います。終わった後の服の汚れも全然違います。
・明るくする
意外と大事なのが光です。暗くて狭いとパニックなる恐れがあります。床下でパニックを起こすと大変なのでかなり明るくしましょう。私はランタン+ヘッドライト+手持ちライトを駆使してやりました。
・複数で行う
パニック防止にもなります。さらに助けを呼べます。ひとりで作業をして上に人がいる程度では助けを呼べません。床下で叫んでも1階には聞こえないのです。ひとりで潜るなら点検口に座って待ってもらうくらいが最低限です。少し会話しながらくらいが安心します。ひとりが潜って作業するなら、点検口からライトを向けてくれたり、薬剤の補充をしてくれると助かります。
パニック防止で音楽を聴くとかはやめた方が良いです。人と連絡を取れる状態を維持する方をお勧めします。
・自分の楽な姿勢を見つける
ずっと床下で作業をするのできつい体勢を維持するのは辛いです。そこでどの姿勢が楽かを見極めましょう。私はうつ伏せがダメで、仰向けと横向きが平気でした。横向きで移動までできるようになると格段に楽で気持ちも落ち着きました。
これは人によって違うのでぜひ最初に確認してください。
レンタルのご案内
ここまで読んでやっぱり自分で行いたい人用にレンタルのご案内です。
レンタル料:2万円/日(土日祝の2日連続は2日で2万5000円)
専用の噴霧器で20mホースになるとなかなかレンタルは見つからないし、下手をすると高くて業者に依頼した方が安いかもしれません。
そこで、私が実際に使った機材をレンタルいたします。レンタル機材は2つ。
・電動噴霧器 20L バッテリー式
20Lなので床下を移動はできません。(満タンにすると30kgほどの重さになります)点検口から届く範囲で噴霧器として使い、その他薬剤を混ざて希釈するために使います。
・電動噴霧器 4L バッテリー式
こちらがメインになります。床下を移動でき電動式なので使い勝手良好です。
薬剤は水性白アリスーパーPHI・20WE【木部処理用薬剤】と白アリスーパー土壌用SC50【土壌処理用薬剤】指定で、こちらで購入させていただきます。(薬剤の混入防止のため)
床面積50㎡で約4万円です。
6万円程度で防蟻処理ができるので気になる方はぜひお試しを!
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