グループYouTuberの騒音トラブルで考えるマンション管理規約

real-estate-agent 不動産管理部門コラム

はじめに

Yahooニュースに「YouTuberのコムドットが動画の撮影場所である都内のマンションで騒音トラブルをおこしていた」とニュースがありました。

ニュースの真偽はさておき、何を問題点としているかをマンション管理の視点で説明します。

ニュースを見ると以下の3点が問題にあげられています

・「専ら住宅として使用」と規約で定められたマンションを、撮影場所として使い続けてきた

・夜中に大声や拍手の音が響く

・窓を開けた状態でタバコを吸っている

この3点について、マンション管理規約と対応の仕方を考えてみましょう

マンショントラブルの対応と管理規約

マンションで撮影は出来ないの?

マンション管理規約はマンションごとに定められますが、標準マンション管理規約として、単棟型、団地型、複合型と3種類あります。

単棟型とは、一つの敷地にマンションが一棟建てられている、住居専用のマンションタイプを想定して作成されたもの。最も一般的なマンションに当てはまるもので、管理規約の基本となるものです。

団地型とは、複数の建物で敷地を共有している団地のようなマンションタイプを想定して作成されたもの。複数の建物の管理を一元的に行う必要があるため、そうした状況に即した規定が設けられています。

複合型とは、住居だけでなく、一部が店舗や事務所として使用されるマンションタイプを想定して作成されたもの。建物の一階部分を店舗が占めているマンションなどがイメージされますね。

今回の騒動では”「専ら住宅として使用」と規約で定められた”とあるので、単棟型か複合型でも居住部分の区分建物を使用していたと思われます。

そこで撮影自体がダメかと言われたら、撮影は出来ます。例えばホームパーティーを開いてそれを撮影しても良いかと言ったら問題ありません。

ただし、住居用のマンションなら専ら住宅として使用しなければなりません。

コロナ騒動の際にテレワークの受け入れのため、マンション管理規約を見直したマンション管理組合もあるのではないでしょうか。コロナ騒動でテレワークが主体になると”専ら住宅として使用する”と言う規約に抵触する可能性があるからです。

撮影でも収益目的でなければ撮影自体に問題は起きませんが、YouTubeにアップして収益を上げていればその収益のよって商業目的と判断される可能性は高いです。

また、スタッフを含め大人数が撮影目的や打ち合わせ等で来ていること、頻度も週に何度もと言うことになれば「専ら住宅として使用」しているとは言えないですね。

当人たちが事務所ではないと言い張っていても、個人の見解ではなく外形的にどう判断されるかなので、賃借人以外の人(メンバーやスタッフ、事務所関係者、撮影関係者)が多人数で頻繁に出入りしているのであれば、居住用とみなされない可能性が高いです。

なので、単にマンションでの撮影ができないか?と言うことであればできますが、それが商業目的であればできないし、撮影だけでなく、「専ら住宅として使用」と言う部分を本人たちの気持ちや受け止め方ではなく外形的に住居として使用しているかが重要になります。

夜中に大声や拍手の音が響くのはだめなのか?

ダメです。良いか悪いかだけなら悪いになるので、一般的に悪いとなります。

居住用のマンションの場合は深夜の騒音に関する禁止事項が規約に入っていることが多いです。トラブルになりやすい内容なのです。

一般的にマンションは鉄筋コンクリート構造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄骨造(S造)などありますが、音が伝わりやすいのも特徴のひとつです。

特に上下左右だけでなく、階を飛ばしてや壁伝いに伝わるので、”上から音がする”と思っていても直上階とは限らず数階上であったり、斜め方向の伝播だったりしまう。

なので、騒音の原因を探るのは難しく、逆に言うと騒音を出してしまうと上下左右以外にも伝播してしまうと言うことです。

マンション管理において、居住者が「上の階の騒音に困っている」と言われても、どの部屋かは決めつけずに対応するのが一般的です。特定できているときは別ですが。

そこで騒音に対してどういった対応をとるかと言うと、デシベルを測定して、そのときの状況や時間を記録します。それを元に改善を促すわけですが、この機器代は管理会社負担なのか、管理組合負担なのかは契約によります。また、法律上の申し立てを行うのであれば弁護士費用がかかってきます。

このニュースの内容だと、2年に渡って改善を要求しているにも関わらず対応せず、ノイローゼのような状態の人もいるということなので、事実ならかなり大きな問題です。2年と言う期間の長さもさることながら、騒音とノイローゼの因果関係があれば傷害罪の可能性もあります。

深夜の騒音は睡眠を妨害するのでそのまま放置できない大きな問題です。

窓を開けて煙草を吸ってはいけないのか?

これは難しい問題ですが、たばこを吸うことと、他人に危害や損害を与えないことは別問題です。

簡単に言うと、たばこを吸うこと自体は自由でも、他に損害を与えれば賠償することがあると言うことです。

賃貸で煙草を室内で吸うのは良いけど退去するときに部屋の壁紙を変える分の費用負担は必要になります。特約がなければ経年劣化は貸主負担なのです。でも、喫煙による臭いがつけばその範囲において借主負担になります。

これもよくある問題なのですが、バルコニーでの喫煙は規約で禁止されていることが多いです。タバコと言う表現ではなくて、火器の使用禁止としてあることが多いです。バルコニーでの喫煙だけでなくBBQなどの火器の使用を禁止することで火災対策を行っています。

ただ、これは火災に対する対策だけでなく、煙害に対する措置でもあります。なので、バルコニーでBBQできないならリビングでしても良いかと言ったらそうとはならないと言うことです。

実際にあった話で、お祭りの日にお友達を呼んで窓を開けて花火を見ていた部屋の住人がいて、窓全開で煙草を吸っていたので、近隣の部屋が全部窓を閉め切る羽目になり、管理組合に苦情が来てそこの部屋の住人は窓を開けなくなったと言うことがありました。(禁止されたわけではなく、居づらくなって開けなくなったと言うことです)

相当なクレームでしたよ。「自分さえよければそれでよいのか?」と。この部屋の住人が煙草を吸いたいがために、他の住人が窓を閉め切ることになったと言うのが問題です。子どもが多いマンションだったので、自分の子どもに花火を見せたい家庭がたくさんあったのに、窓を閉め切ることになり、年に一度のお祭りを台無しにされたと言う怒りが大きかったのです。

そんなわけで、煙草を吸うことは止められないけれど、その煙で損害を与えないようにと言うことです。

これに関しては禁煙マンションをどんどん作った方が良い気がしています。需要はあると思います。

マンション管理を怠るとどうなるか?

今回のニュースを読んで思ったのは2年にもわたり管理組合、管理会社が対応していると言うことです。

管理費の滞納や騒音やごみ問題など、マンション管理には様々な問題があります。対応を怠ると一気にマンションの価値が下がったり、まともな人ほど引っ越してしまいマンションが荒れ果てていくことがあります。

管理費の滞納に対処を怠れば真面目に納めている人に被害がでます。騒音では対処を怠れば人が出ていってしまい空き部屋が目立つマンションになりかねません。

また、滞納やトラブルの解決に管理費が費やされます。(規約に滞納の請求にかかる費用は滞納者負担となっていることもあります。)

マンションの価値が下がれば売れなくなり、人が寄り付かないマンションになりより価値が下がるの悪循環。

今回のケースでは、賃借人が問題を起こしているので、賃借人に改善を求めるだけでなく、貸主(オーナー)である所有者にも改善要求ができます。そういった知識も必要です。

マンション管理の基本は健全な住環境の確保なので、居住用マンションだと「専ら住宅として使用」することが重要になってくるのです。これに逸脱すると問題が起きやすくなります。

マンション管理には様々な問題があります。規約の改正、管理費の滞納、管理会社の変更、その他相談などありましたら、弊社にお問い合わせください。

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