インボイス制度で考える 免税事業者が知るべき消費税の事実3選

consumption tax 不動産管理部門コラム

免税事業者とは?

免税事業者とは、消費税の申告や納付を免除されている事業者のこと。

免税事業者に該当するのは課税期間の基準期間中(個人事業者は前々年)における課税売上高が1,000万円以下の場合で、特定期間(前年の1月1日から6月30日までの期間)の課税売上高もしくは給与等の支払額が1,000万円を超えない事業者。

例(売上高の単位:万円)

年度20172018201920202021202220232024
年間課税売上高1200900150090012008601200
年間のうち
前期課税売上高
7006001200400700450600
課税OR免税課税課税課税免税課税免税
理由前々年
の年間
前年の
前期
前々年
の年間
前々年
の年間
課税免税の例

このように”前々年度の年間課税売上高”と”前年の前期課税売上高または給与等の支払い額”の両方が100万円以下でなければなりません。

免税事業者が知っておきべき消費税の事実 3つ

免税事業者は消費税を受け取ってはいけないのか?

まず、「免税事業者は消費税を受け取れるか?」です。

答えを先に書くと受け取れます。実質的に受け取っています。

税理士が書いたブログかコラムに「免税事業者は消費税は受け取らないように、受け取ったと誤解されなようにしましょう」と書いてあって驚きました。

免税事業者か課税事業者かは年度当初に決まっています。2023年は10月からインボイス制度が始まり途中から変わった個人事業主もあるかもしれませんが、通常は年度の開始において免税事業者か課税事業者か決まっています。

では、年度当初に免税事業者だからと言って消費税は受け取ってはいけないのでしょうか?

卸売り業を例にとって考えます。

仕入れで、1100円(価格1000円、消費税100円)のものを仕入れて、1650円(価格1500円、消費税150円)で売ったとします。

この時に免除される消費税額は150円ー100円=50円です。

納付する消費税は預かり消費税から支払い消費税を引くので、50円です。仕入れ控除があります。

もし、消費税を受け取ってはいけないのであれば、仕入れ控除額100円を全額負担することになるので、免税事業者でも仕入れでは消費税を支払っているので、消費税を受け取ってよいのです。

そもそも消費税は受け取らないと、消費税法第4条に違反します。

消費税は預かり金なのか?益税なのか?

消費税は預かり金?益税?

これも先に答えを書くと、実質的に預かり金です。益税に関しては計算して各々違うかもしれませんが概ね益税です。

まず、個人事業主などで免税事業者に相当する事業者でも消費税は受け取っています。仕入れ控除を自己負担しているわけではないので、受け取っています。

免税事業者の記載方法が税込み方式なので、売上1500円、消費税150円と表記せずに、売上1650円(税込方式)と表記しているだけで、売上に税額を含んでいます。

もし、消費税を受け取っていなくて全額売上だと主張するなら、インボイス制度に反対する理由がなくなります。それでは、受け取り消費税0円で仕入れ分の支払い消費税があるので、必ず還付対象になるからです。(0-仕入れ控除=支払額がマイナス)

全額売上なのに、インボイス制度に反対なんてことは起きなくなります。

もちろん、経理の煩雑さからインボイス制度に反対している人は多いと思いますが、それを除けば消費税の納付免除にメリットを感じているからでしょう。

また、仕入れ控除分しか受け取っていないなども言えません。売り上げに対して消費税の内訳を後だしのように決めることもできなのです。決算になって突如「消費税は6%でした」なんて言えないのです。

もう一つは免税事業者の判定として、税込み処理で課税売上高が1045万円だったら免税事業者になるか課税事業者になるかです。全額売上だと課税事業者になります。しかし、課税売上高950万円、消費税95万だとしたら、免税事業者になります。これを事業者側が任意に決められるかと言ったらできません。

益税と言う言葉は言われると嫌な気分になりますが、計算の上ではこうなると言うことです。実質、消費税を受け取らないということができません。

消費税分の減額には応じない方が良い

消費税額の減額に応じると損します

「免税事業者なんでしょ?消費税分値引きしてよ!」

これを受け入れると損失です。

先にも書きましたが、

仕入れで、1100円(価格1000円、消費税100円)のものを仕入れて、1650円(価格1500円、消費税150円)で売ったとします。

この時に免除される消費税額は150円ー100円=50円です。

つまり50円しか免除されていないのに、150円も値引きしたら、仕入れ控除分の値段100円が自己負担になり損失になります。

まず、消費税を減らすことはできません。

「消費税分の値引きとは」

1650円(税込)を1500円(税込)にすることですが、

正確には価格1500円+消費税150円を価格1350円+消費税150円にすることで消費税が減るわけではないのです。若しくは(価格1500円+消費税150円を価格1364円+消費税136円)

決して、消費税分が0円になるわけではありません。

50円分の控除があるから150円の減額(値引き)に対応したら経営に影響してしまいます。

2024年以降の免税事業者の対応は?

インボイス制度に登録した事業者

すでにインボイス制度に登録した事業者は確定申告の際に、2割特例を利用するかどうかです。確定申告の際に申し出るみたいですが、申告用紙がまだできていないらしいです。(12/11国税局に確認)

また、簡易課税制度にするなら、12月末までに申し出ないといけません。最低2年間は適応を外せないこと+免税事業者になっても申告しないと免税事業者に戻れないことに注意。

あとは、仕入れ控除が大きくて、還付がある場合は仕入れの消費税額も全額計算が必要なので日々の仕訳をしておくことです。←これが免税事業者のとってメリットが大きいのですが、還付のときは頑張りましょう。

インボイス制度に登録していない事業者

まずはインボイス制度に登録するか否かです。

免税事業者は納付+申告の免除がされているのですが、納付より、計算して申告することが負担に感じている個人経営や家族経営の事業者もあるのではないでしょうか?

還付があるならインボイス制度に登録と言うほど簡単ではないかもしれません。経理処理の負担に耐えられるかで変わってきます。

免税事業者ままでいけるならそれも選択肢のひとつです。

インボイス制度に登録したいけど、経理処理が不安だと思う個人事業主は経理を雇うのも一つの手です。税理士を入れると費用が大きくなります。

そこで経理を雇うのも一つの手です。フルタイムでなくても時間勤務で経理をお願いするのもありではないでしょうか?

これからも制度の変更はあります。そのたびにご自身で対応していくのは労力も時間もかかります。

お困りの方はSGYライフ&ホームへご相談ください。お役に立ちます。

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