日商簿記2級
日商簿記2級は独学で合格できます。
2月、6月、11月の年3回試験があります。商工会議所が行う検定試験の一つ。
日商簿記3級ではあまり就職に有利とはいえませんが、2級はある程度有利に働くと思います。
内容が商業簿記、工業簿記に分かれます。
合格基準点が70点/100点なので、とにかく7割以上得点すれば受かります。
合格率の振れ幅が大きいです。10%を切ることもあれば30%を超えることもあります。
試験時間:90分
試験方式:筆記試験(別方式でネット試験あります)
合格基準点:70点
合格率:10%~30%ほど(回によってばらつきがあります)
合格体験および勉強方法
勉強方法
簿記2級の学習方法(勉強日程) 3週間パターン
この年は宅建士とダブル受験をしたので、学習期間は3週間です。宅建士の試験後から始めました。勉強時間は30時間ほどです。
私の勉強方法なので、参考にしていただいて各自アレンジしてください。
まず最初に1週間で商業簿記の内容を読みます。章末の問題も読んだ単元は解きます。ただし、頭の中で解いて文字にはしません。途中(貸借対照表あたり)から頭では解けなくなるので、そこは問題を解かずに読むだけです。
とにかく読みながら理解することに神経を注ぎます。簿記は暗記ではないので理解せずに読んだらただ無駄な時間を費やすことになります。理解できなければ次に進みません。頭の中では解けない問題を残し、読み終えたらいったん商業簿記は終了します。
次の1週間で工業簿記を読みます。やり方は商業簿記と同じです。理解を心掛けながら読む。章末問題は頭で解けるものは解きます。書かないと解けないものは後回しです。読んで、言っている意味が分からなかったら次に進んではいけません。解けるかどうかは別にして、書いてあることが分かるかを意識して読みます。
最後の週はまず、やり残した章末問題をやり切ります。これで3日ほど費やし、テスト2日前を迎えます。章末問題を解くときはなんとなくやり方がイメージできていればOKです。
最後2日間で過去問を解いて総仕上げです。これで理解できていれば完璧です。
簿記2級の学習方法(参考書)
もちろん自分が読みやすいものを選んでくれれば良いのだけれど、TACの参考書が3級を勉強したときにうまくいったのでお勧めします。本当に読んでいるだけで頭にイメージが浮かびます。最初、書店でテキスト探したときにTACがなくて商業簿記は別の出版社のを使いました。もう使いづらくて苦しかった。せっかく買ったので読み進めましたが、工業簿記と過去問はTACに戻しました。
ちなみに3級は参考書のみで合格し、2級は商業簿記、工業簿記、過去問の3冊で合格しました。
短時間学習で受かるためには読みやすさと分かりやすさの両方が必要なので、参考書選びは大事です。イラストでイメージが付きやすく、ストーリーがあった方が分かりやすいです。文字数の少なさも大事かもしれないですね。簿記は暗記ではないので、読んでイメージできて、分かることが必要です。
絶対やってはいけないことは、なんとなく読むだけってやつです。暗記でないものは繰り返し読んでも分かることはありません。これを勘違いしている人が大勢います。問題を解けるかは別にして、“書いてあることが分かるか?”がものすごく重要です。書いてある内容が分からないならどれだけ読み進めても分かることはありません。
では、読んで分からない人はどうするかって言うと、人に聞いて教えてもらうしかないです。ただし、人に聞く癖をつけると自分で考える力がなくなり、より理解力が不足し悪循環に陥ります。なので、読んで分からない人はどうすれば良いか?の質問に対しては、自分で(参考書を読み直して)考えて理解するが正しい答えになります。人に聞くってのは、本当に最終手段にしないと簿記に関わらず、どんな勉強でもできないままになります。
簿記2級の学習方法(過去問)
私は過去問を2日しかできませんでした。買った問題集を半分も解いていない。
過去問ですが、試験2日前にして初めて開き、最初はどこに問題が書いてあるかすら分からないくらい理解していませんでした。なので、初めて解いた過去問は問題の意味すら分からず、何を質問されているのかすら分からず、何をすれば良いかなど全く分からない状態でした。
このとき落ちたなと思いました。何せ試験2日前ですからね。
しかし、めげずに解説を読んで理解しようとしました。解説は読み物ではありません。何を計算したかは分かりますが、それでは解くことができません。何でそんな計算をしたのかを分析します。
解説に対して、なぜ?を意識しその理由を探します。因みに1問解くたびに休憩です。だってすごい頭使いますから。しかも毎回読んで問題の意味すら分からない、解説読んで何とか分析をするの繰り返しですよ。そりゃ疲れます。
午前で過去問1回分、午後過去問1回分で、夜過去問1回分です。これだけやってさっぱり分からず、解決の糸口も見つからない状態です。
試験の週の頭に、家の給湯器が壊れたこともあり、前日の午前は勉強できず。午後1回分。ここまで進歩なし。夜に予想問題1回分。このとき初めて少しできました。工業簿記が何とか分かるようになり、商業簿記はうっすらと何して良いか分かるかもしれないくらいになりました。
試験当日、朝に予想問題集1回分をやったら、また何も分からない状態に戻っていました。
これで試験会場に向かいます。
過去問を解くにあたって大事なことは自分が何点だったか?ではなく、どこが分からなかったか?を見つけ出し理解することです。これには解説を読んで分析することが一番です。なんとなくこんな計算したんだぁでは絶対に解けるようになりません。何でこうしたか?を徹底して考えてください。
私は試験当日に初めて棚卸の振り替えの意味が分かりました。ずっとなんで振り替えてから更に振り替え直すんだ?って思っていました。試験にでなかったけど、分かったってことが自信になるよ。
合格体験記
体験記
この日はお昼に残ったご飯で炒飯を作って食べたら胃もたれがして気持ち悪かった。皆さん、テスト直前の食事には注意しましょう。試験会場が暑くて気分が悪くなったけど、始まったら落ち着いたので良かった。
分からないなりに足掻こうと、作戦を遂行。
過去問の手応えから、解けるなら工業簿記と1問目の仕分けだと踏んでいたので、4問目(工業簿記)からスタートしました。これがなんと4問目5問目と工業簿記が解けた。数字もきれいな数字になったので、合ってる可能性が高い。(工業簿記は間違えると割り切れないことが多いので、ミスると計算で気づく。)しかも計算ミスなしでできたので時間のロスもない。
最初に戻って1問目の仕分けを落ち着いて解き、2問目がまさかの選択問題。文章の穴埋めなのでよく考えればできる。たぶん今回は簡単な回に当たったと確信。逆にこれで受からないとピンチと自分にプレッシャーをかける。
勝負の第3問がまったく分からない。部分点を拾うためにできるものだけでも計算して書き込む。でも、ほとんど手に着かない。しかも、簿記2級って計算が煩雑で時間内に完答するのって厳しいんだよね。(←ちなみに伝説の第153回日商簿記2級の第3問です。歴代一難しいと言われる連結精算表をリアル体験しました)
簿記3級の試験って解けた人が途中退室するけど、2級になるとほぼ誰も帰りません。みんなぎりぎりでやっているから。
残り10分の時に解くのをあきらめて見直しタイム。汚い文字は奇麗に書き直し終了。
1問20点で70点合格なので、1・2・4・5問が完璧なら3問目ができてなくても合格できる。後は祈るのみ!
で、無事合格でした。
点数は分かりません。ただ合格したことは分かった。
めちゃホッとしました。
もう勉強したくない。問題集が半分残っているけど、きっと解かないだろうなぁ。
受験生へアドバイス
工業簿記は初めて見るのに1週間ちょいでマスターしました。工業簿記は簡単だよ。逆に日商簿記2級の工業簿記が(長く勉強しているのに)難しいと感じる人は経理に向いていないです。初めて勉強するひとは難しいと感じるかもしれません。
私が受けたのは第153回で第3問が鬼難しいと後々語り継がれます。公認会計士でも所見では迷うくらいだと。でも、それでも合格率は27%ほどだったので、取れる問題を取り切るのが重要。特にこの回では工業簿記満点が推奨だった。明らかに簡単だったからね。
商業簿記は3級に比べたら2級は格段に難しいです。個人的にはもうちょっと練習が必要だな。連結決算とか面白いのですけどね。アップストリームとかダウンストリームとか好きです。連結が理解できないと厳しいことと、貸借と損益をしっかり区別して考えられると良いですね。試験では理解していませんでしたが、そこがポイントになると言うことは分かりました。
簿記は暗記試験ではないので、同じ問題が出ません。だから理解して新たに見る問題に対応できる力をつけないと解けないです。同じ過去問を何度も解くのではなく、1回で分かるように勉強する必要があります。それでないと何度解いても分からないままだから。
連結決算とか実務をしないと分からないし。あくまで試験では合格点に達したってことね。合格に必要なことは満点を目指すことではなく、合格点を超えることだから。
私は受験勉強や試験勉強の学習方法の参考にしてほしいの。できないことができないままの人って何かアプローチが間違っているんだよ。