徳島市の阿波おどり会場に設置されたプレミアム桟敷席が建築基準法に違反していたことが発覚。8月28日に阿波おどり実行委員会が違法状態で運営していた事実を認め、公式サイトで謝罪しました。
観客が座る桟敷は、開設する前に建築基準法に基づく検査が必要で「プレミアム桟敷席」のやぐらも開幕の前日の11日に建築基準に適合しているかどうかを調べる「完了検査」を実施したといいます。
その結果、法律で定められた基準よりやぐらの階段の幅が10センチほど狭く、手すりの高さも不足していることなどが分かり、市は実行委員会に対して改修が必要なことを指摘したうえで、検査済証は交付しなかったそうです。
指摘を受けた実行委員会は、手すりの高さなどは修正したものの、階段の幅は変えられず、誘導するスタッフを増やすなどして対応しましたが、検査した市の建築指導課に報告せず、検査済証がない違法な状態のまま席を提供したということです。
7月28日に実行委が出した建築確認の申請書の設計図面の段階では、階段の構造は基準を満たしていたということなので、なぜ図面通りにならなかったのか、なぜ指摘通りに直さなかったのか疑問が残るところです。
建築指導課が、改善完了を確認しなかったことを「当然、直して使っているものと思い込んでいた」と言う分には理解できますが、実行委の事務局を務める市にぎわい交流課の担当者の「警備スタッフを増やすなどして安全確保はできたと考え、違法状態にあるという認識はなかった」との説明は理解しかねます。
今回の流れで
建築確認申請 → 建築確認(確認済証) → 建築完了 → 完了検査(検査済証) → 引き渡し
この流れの中で、最後の完了検査で修正を求められ検査済証が発行されていないので、違法建築であることは充分理解しているはずです。そもそも違法だと認識がない人は建築確認申請も建築確認も完了検査も行いませんからね。
建築確認申請をした段階で検査済証が必要だと言うことは分かっていたと思います。
また、警備を増やして対応したとのことですが、手すりの高さや階段の幅は人が安全に通るためであった、警備をつけると安全になるわけではないことは明白ですね。幅が足りなくて安全が確保されないことに警備を増やすと対処できるとは到底思えないです。災害時の避難のこともありますし、今回は事故がなく過ぎていっただけで、火災でも発生しようものなら階段に人が密集して将棋倒しが起きることもあり得るわけです。
また、市や実行委員会だけでなく、施工会社は分かっていたのではないですかね?建築基準法にあった図面を書いていること、図面と実際の施工が違うことの2点は理解していた思います。
どのような経緯でこのような事態になったか説明が気になります。
コメント