空き家を所有したときに考えるべき対処法

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不動産を所有したときの3つの選択肢

不動産を所有するとき、最初から投資目的である場合を除くと、”住む”という選択が一般的ではないでしょうか。かく言う私もマンションを所有したときはこのままここで済み続けるのだと感じたものです。

しかし、人生とは数奇なもので思いがけない転機が訪れます。マンションを購入したときの一国一城の主としての安心感、ホッとしたようなワクワクするような高揚感。そして、マンションを手放したときのさみしさ。新しい出発点に立つ緊張感と不安。これは私自身が感じたものです。

不動産業にいると人生とはいかに多彩で人それぞれ特有の事情を抱えている事が窺えます。結婚、出産、介護、転勤、転職や夢に向かって一念発起と言うこともあります。

そのような経験の中で不動産を所有したときの3つの選択肢を状況に応じて判断することがい如何に重要か思い知らされました。

1 住む

2 貸す

3 売る

不動産を所有したときはこの住む、貸す、売るの3つを常に選べる状態にしておくことをお勧めします。

投資目的で不動産を所有する人はこの貸す、売るも馴染み深いものではないでしょうか。区分所有であるマンションは戸建て住宅に比べて流動性があります。急に訪れた人生の転機に選択肢としてあるだけで救われることも少なくありません。住むことを念頭に購入したときでも選択肢の中に残しておくは大切です。

不動産の価値はその不動産そのものの価値だけでなく、周辺環境も大きく影響します。道路や鉄道など交通網の影響は大きいですし、商業施設の建設や行政施設の移転なども少なからず影響を与えます。

しかしながら、不動産そのものの価値にも目を向けなければいけません。周辺環境の影響は大きくても自身で変えることは難しく、不動産そのものの価値は自身で変えることができるからです。

不動産そのものの価値は経年によって価値が下がることは避けられません。しかしながらしっかりとした管理をすることによって価値の下がり具合を緩やかにしたり止めたりすることは可能です。

マンションで言うところでは、修繕計画や防災計画が立てられているか、また修繕が計画に則して実施されているか。管理費が納められているか、滞納がマンション全体でどれくらい存在するか。

管理費の滞納に関してはマンション全体の価値の低下に影響するので自分は大丈夫と言うことではなく、他の区分所有者であっても滞納を放置することはできません。

さて、みなさんのお住まいは正しく管理されていますか?

空き家を所有するリスクと対処法

”空き家税導入”この言葉を聞いて驚いた人もいるかもしれません。

近年、空き家対策が需要視され空き家を放置しないことが重要になっています。

京都市議会が別荘や空き家の所有者に課税する「非居住住宅利活用促進税」の導入を盛り込んだ条例案を可決しました。これがいわゆる空き家税と言われているものです。導入は早くても2026年なのでまだ先ですが、空き家対策の方法として全国に広がっていくかもしれません。

空き家を所有するリスク

1 固定資産税

空き家を所有するリスクの一つに固定資産税があります。これはリスクと言う表現よりデメリットと言った方が良いでしょう。土地や建物を1月1日に所有している人に課せられる税金で、固定資産の所有者を対象とした税金であるため、賃貸物件では賃貸人(所有者)に課税されます。毎年4月頃に通期が来る自治体が多いのではないでしょうか。

また固定資産税と一緒に都市計画税も徴収されます。都市計画税は都市計画法による市街化区域内(すでに街の整備が進められて市街地になっている区域と、おおむね10年以内に優先的、計画的に市街地として整備を図るべき区域のこと)に所在する土地・家屋の所有者に対して課税されます。

空き家対策ではなくて、固定資産税対策として、空き家をそのままにしている人もいるのではないでしょうか?

いわゆる、住宅用地の特例措置というものですね。所有する戸建住宅やマンションが所有者の住居または住宅用の賃貸用マンションの場合は要件を満たせば、その建物がある土地の固定資産税が軽減される仕組みです。

住宅用地の特例措置

宅地区分要件(住宅用地の特例を受ける部分)固定資産税の課税標準の軽減都市計画税の課税標準の軽減
小規模住宅用地住宅1戸当たり200㎡まで課税標準=固定資産評価額 × 1/6課税標準=固定資産評価額 × 1/3
一般住宅用地住宅1戸当たり200㎡超の部分(床面積の10倍まで)課税標準=固定資産評価額 × 1/3課税標準=固定資産評価額 × 2/3
住宅用地の特例措置

公示価格:国土交通省の土地鑑定委員会によって定められた標準地の1平方メートルの1月1日時点における価格

固定資産税評価額:公示価格の約70%。土地と建物は分けて考えます。

固定資産税都市計画税
課税対象不動産固定資産(土地、家屋、償却資産)市街化区域内の土地、家屋
納税義務者1月1日現在、土地、家屋、償却資産を所有する人1月1日現在、市街化区域内の土地、家屋を所有する人
税率1.4%(市町村により異なる場合があります)0.3%(制限税率)(市町村により異なる場合があります)
課税標準価額固定資産税評価額固定資産税評価額
固定資産税・都市計画税

このように住宅用地であると固定資産税や都市計画税の特例措置を受けられることから空き家をそのまましている場合があると思います。

ただし、平成27年5月26日施行の空家等対策の推進に関する特別措置法に注意してください。

特定空家等

・倒壊など保安上危険となるおそれのある家

・著しく衛生上有害になるおそれのある家

・適切な管理がされておらず著しく景観を損ねている家

・周辺の生活環境の保全を図るために放置するのが不適切な家

上記のような特定空家等に認定され、さらに必要な措置を行うよう勧告を受けた場合はその家の土地は固定資産税と都市計画税の減額措置の適用対象外となります。

空き家だと住宅用地の固定資産税が6倍と言われることがあるのはこのためです。

なので、固定資産税対策として空き家をそのままにしていても適切な管理が必要ということです。

2 所有者責任は無過失責任

空き家を所有するもう一つのリスクが無過失責任です。読んで字の如く無過失(過失がなく)でも責任を負うというものです。

例えば、強風で屋根が飛ばされたとか劣化で壁が崩れ落ちてきたときに、走行中の車にあたってしまったとか歩行者にけがをさせてしまった場合の責任です。この場合、たとえ無過失(意図的でなくても、過失という落ち度がなくても)所有者に責任があります。ただ走行していただけの車や歩いていただけの歩行者の損害に対して、仕方がないですねということにはなりません。誰が責任を負うかとなると所有者以外にいないからです。

1の税金の話は固定資産税という毎年の話なので意識しやすいですが、この2の無過失責任はある日ふとした出来事で突然降りかかってくるので注意が必要です。

空き家を放置せずに適切に管理することを意識しましょう。

空き家の対処法

空き家には2種類があります。

・賃貸に出しているが借り手が見つからず空き家になっている状態

・急な転勤や相続で空き家を所有したとき

空き家とは不動産を所持したときの3つの選択肢(住む、貸す、売る)の例外です。あまり好ましくない状態です。借り手が見つからない賃貸の場合は管理されていると思いますが、転勤や相続で空き家を所有したときは注意が必要です。

空き家の状態が好ましくないことは分かっていても、どうするべきか悩んでいる時間や先祖代々からの土地や家屋なので手放したくないという思いもあるでしょう。

そんなときはまず適切な管理が必要です。悩んでいる間にも劣化は進みますし、管理をしていないと時間とともに資産価値も減少します。家屋で言えば月に1度で良いから窓を開け空気を入れ替え、水道が使えるなら蛇口をひねって少しだけ水を流してみる。

また、単に目視で確認するだけでも違います。知らない間に不法侵入されていないか目で見ることや、ポストにたまった広告を片づけるだけでも効果があります。特に空き家は放火や不法侵入の標的にされやすくポストのたまったチラシの山が空き家の目印にもなります。月に1度でも片づけるだけで管理されていることをアピールできます。

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