ごんぎつねの読解問題
とある小学校の授業でごんぎつねを扱う国語の授業を行われました。。
ごんぎつねのお話はざっくりと
「ひとりぼっちのごんぎつね(以下・ごん)は山の中の森に住み、村にやって来てはいたずらばかりしていました。ある日、ごんは村人の兵十(ひょうじゅう)が捕まえた魚やうなぎを逃してしまいます。
しかし兵十の母がなくなり、兵十は最後に大好きなうなぎを食べさせてあげたかったと嘆きます。ごんはいたずらを後悔し、償いの気持ちから兵十の家に毎日食べ物を届けるようになりました。
ある日ごんが家の中に入っていくのを見掛けた兵十は、火縄銃でごんを撃ちます。そして土間に置かれた栗を見て、食べ物を毎日届けてくれていたのがごんだったと気付いたのでした。」
と言う内容です。
この話の中で兵十の母の葬儀のシーンがあります。ごんの視点では鍋で何かを煮ている様子が描かれています。
小学校での発問
「鍋で何を煮ているか?」
この質問に対して、
「兵十の母の死体を消毒している」、「死体を煮て溶かしている」
などの回答があがったことに対して、ルポライターが国語力の低下、読解力の低下だと言っているのですが・・・
問題の本来の解釈
今回の話はYouTubeでサトマイと言う方の動画を見て知ったのですが、一応元ネタの方も探して読みました。
本当に驚きました。学校や先生の教育力の低さと、ルポライターや教育関係者の偏見に。
実際に国語力が低下しているかはさておき、今回の問題は国語力とは関係ないのです。
今回の内容を知って、自分の子どもにも、ごんぎつねのあらすじ(すでに小学校の授業で知っていました)を説明して、”鍋で何を煮ているか?”の質問をしてみました。
回答は「死体を煮ている」でした。
「答えは野菜とか汁物だよ」って言ったら、「そうかな?とは思ったけど、わざわざ聞くから」と言われてしまいました。
そうなんだよね。今回は完全に授業の失敗なんだよね。
失敗の理由1
まず時代背景が違いすぎる。ごんぎつねってすでに100年以上も前の作品だから、葬儀の時に食べ物を振る舞うと言う習慣も、鍋で大人数の料理を作ることも知らないのです。
これは知識の問題で読解力や国語力とは別です。
うちの子もお葬式自体は参列した経験はありますが、記憶が残らないくらいに小さいときだったし、そもそも葬儀会館で食事が出るので自分たちで食事を振る舞うと言う考えにはならないです。
つまり経験や知識がなくて分からないだけなので、大人になれば国語力や読解力とは関係なく鍋なんだから汁物でも煮てるのでは?となります。
失敗の理由2
この授業見学の授業は良くない授業で、この「鍋で何を煮ているか?」の問題に班分けをしてディスカッションをしているんです。
そもそもごんぎつねを読んで国語の授業で質問が「鍋で何を煮ているか?」なのもすでに外れている気がしますが、それに輪を掛けてディスカッションまでしています。
想像してください。
例えば、「1+1は?」と聞いてすぐに答えるのなら「2」とほとんどの子は答えます。
「1+1は?」で10分話し合ってくださいと言われたら”2”以外の回答を期待されていると子どもたちは感じます。まじめな子ほどです。「2でしょ?違うのかな?2になる説明ってこと?2じゃない場合を考えるってことでは?」
これが子どもたちの心境です。
「鍋で何を煮ているか?」に対して、すぐに回答を聞いていればミスリードにならずに済んだはずなのに、話し合った結果「死体を消毒している」、「死体を煮て溶かしている」になったのです。
なのでこの問題は”国語力の低下”や”読解力の低下”ではなく、”教員の質の低下”や”学校の能力不足”の話なのです。
この話で感じたこと
端的に言うと、「学校や教員の能力不足、教育の質の低下はここまできたか」と言うことです。
怖いと思いませんか?
鍋で汁物や野菜を煮ていることを想定した問題に、時間をかけディスカッションをさせたら想定外の答えが出たことに対して、子どもの評価が下がるのですよ?
そして、学校の先生を含め、教育関係者がこぞって大真面目にこんなことをしていると言うことです。校外向けの授業見学で誰も止めなかったのか?どうして間違った結論になったのか?しかもこれが本にされ出版されていると言うこと。こんな間違った情報に対価を取られることが不思議でならないです。
なぜこんなことになってしまったか?答えは子育て離れです。学校の先生も含め子育てをしたことがない人たちがトップに立つので間違った見解が起こるのです。
”子どもがいるか?いないか?”ではないですよ。”子育てをしたことがあるか?ないか?”ですよ。
ごんぎつねってごんと兵十は会話しないのです。作り話の中でもやや現実的です。つまりフィクションでも一段階現実に近づいています。幼児向けの絵本って動物と人が会話するものって多いです。動物同士も会話をします。そして、残酷な結末も多いです。3匹の子ぶたではオオカミが鍋に落ちて食べられてしまいます。アニメでもアンパンマンはバイキンマンをパンチして倒します。
だからと言って、子どもが残虐になったり、暴力的に育つわけではありません。
教育に関わる人たちが子育てをしていないことで、子どもたちが育つ過程が分からないのが今の日本の学校教育なのです。もっと言うとこれが学校問題・教育問題の本質なのです。
なので、学校に関わる諸問題が学校では解決できないのは当たり前なのです。だって先生たちは子どものこと分かっていないのですから。
もし、学校で何かしら問題を抱えていたら、SGYライフ&ホームへご相談ください。
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